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成功事例

助成金活用のコツをご紹介します。
最初にご紹介するのは三鷹光器株式会社の代表取締役中村勝重様です。 2006年に「新連携補助金」を獲得しれましたが、中村社長が助成金にチャレンジされた一番の目的は、お金ではなかったとのこと。

三鷹光器株式会社製脳外科用手術顕微鏡
助成金で開発された顕微鏡のオリジナルモデル。
販売提携先のライカエンジニアリングとの提携記念パネルより

◆「私は当社の手術用顕微鏡に大変自身を持っています。現場で実際に脳外科手術をされているお医者様が『こんな手術用顕微鏡があったらどれだけ手術がしやすくなり、多くいの患者さんを助けられるだろう」という生の声が、その自信の根拠です。」 
 開発当初、この顕微鏡ができれば必ず使ってもらえるという確信があったので、全額自社負担で開発する考えもあったそうですが、『政府が2/3を負担する技術開発となる』ことに意義を認めて応募することにされました。

◆「世界に向けて『この顕微鏡は当社と日本政府が資金を出し合って開発した製品です。』といえる開発ができて満足しています。」

三鷹光器株式会社社長jpg
三鷹光器(株) 中村勝重社長「医療技術向上の一助を担うことが連携事業の最大の目的です。インフォームド・コンセントの観点からも、社会的意義のある製品に仕上がりました」

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【社会的意義のある製品開発】

◆従来の手術者用のメーンの顕微鏡は、2本のズームレンズで双眼の接眼鏡を通して立体映像が見られる仕組みになっている。ところが右側面に付いている手術助手用の顕微鏡では、立体視ができないという欠点があった。また脳神経外科手術では顕微鏡を大きく動かすケースが多く、「手術者鏡と助手鏡が一体化している構造は扱いにくい」と医師からの改善要求が出ていた。中村勝重社長は「これらの問題を解決する顕微鏡を作ることが長年の夢だった」と開発の原点を披露する。

◆そしてこれこそが世界に先がけて完成させた画期的な製品、つまり単カメラハイビジョン立体視システム(世界特許)を使った三鷹光器の顕微鏡技術とエルグベンチャーズのハイビジョン映像技術の組み合わせによる高機能次世代手術顕微鏡だ。

◆連携事業で開発した顕微鏡は、横にいる助手の接眼鏡にも手術者のものと同じように2本のズームレンズを取り付けた。その左右の映像を1台のハイビジョンカメラで撮影し、観察は6インチの小型液晶モニターに立体視ビューアを接続して行う。

◆そして液晶モニターは顕微鏡本体と独立してスタンドに取り付けるので、助手は顕微鏡の動きに関係なく楽な姿勢を保ちながら、立体視で手術の補助が可能な構造にした。

◆これにより正確で短時間の手術が可能になり、患者の負担を軽減できる。また患者の家族は手術の経過をハイビジョン立体映像で確認でき、「インフォームド・コンセント(医師の説明と患者の同意)の観点からも、社会的意義のある製品に仕上がった」(中村社長)と自信を深める。



【新連携活性化のため】

◆当初の計画通りに製品が完成した一方で、課題も顕在化してきた。新連携事業は一度認定されると、2回目以降の申請は却下されるケースが多いという。開発段階で新たなアイデアが浮かんでも、申請書に記載された以外の項目は行えない。

◆新連携事業の認知度を高め活発化するためには、一つでも多くの成功事例を創出させることが求められる。そのためにも「申請回数にかかわらず、事業内容を重視して認定を出してほしい」(同)と提言する。

◆販売面での課題も大きい。連携により製品が完成すれば、量産体制の整備は避けられないが、中小企業にとって資金面からも容易ではない。販売という次のステップに進むための支援メニュー構築が必要になる。海外で研究成果を発表すれば、投資ファンドなどから資金調達は容易にできる。海外に生産工場を建設しても「日本経済の底上げにはつながらないのでは」(同)という。

◆異業種連携が実現したことで、市場の幅が広がることに期待する。エルグベンチャーズが持つ放送関連の市場に向けてのハイビジョンモニターの販売も、2社が連携して行うことを確認した。医療機器と映像機器−。全く異なる分野をうまく結合させ、完成度の高い製品に仕上げた。こうした「未知なる連携」も新連携の魅力といえる。








次にご紹介するのは株式会社アドバンストシステムズジャパンの代表取締役、平井幸浩様です。  平井社長は極限といわれた電子部品の実装密度を、『スパイラルコンタクト』という画期的なアイデアで、2005年に中小企業基盤整備機構がサポートする新連携補助金にチャレンジし、見事に採択されました。

スパイラルコンタクトの構造
スパイラルコンタクトの構造
ばねとボールの組み合わせで大きな接触面積が得られる

◆『スパイラルコンタクト』とは下図に示す通りミリメートルレンジの金メッキしたばねとボールの組み合わせにより、高密度電子デバイス実装のネックであった接触面積を飛躍的に大きくすることで、実装密度を格段に向上させる技術です。

◆助成金を獲得されたメリットをお聞きしたところ、次ページのインタビュー記事にも書かれているとおり、「政府の助成金を使うメリットは資金調達だけではない。信用度がアップし、金融機関からの資金調達がしやすくなったことと、中小企業基盤整備機構等の専門員からの技術的支援が得られることだ」とおっしゃっています。


株式会社アドバンストシステムズジャパン

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【自信があるから事業リスクはすべて負う】

◆半導体の高速・高機能・大容量化が進み、従来の接触子(コンタクト)ピンによるデバイスへの機械的応力歪みや、対応するソケットの機械的強度、固定方法などが問題になっている。2001年に設立したアドバンストシステムズジャパン(東京都三鷹市)は、これらの問題を解決できるソケット機能を備えた渦巻き形状の超小型コンタクト「スパイラルコンタクト」を開発した。半導体デバイスを中心に、携帯電話向けなど電子部品製造市場での応用と普及を目指している。

◆スパイラルコンタクトは、理論的にはフォトリソグラフィーを用い、プリント基板の表面に金メッキを施すことで効率的に大量生産できる。製造は、プリント基板の工程を逆から行うことで可能だ。

◆同社の平井幸廣社長は以前、半導体検査装置メーカーに在籍し、プリント基板設計・試作のサンエス電気(東京都小平市)とつながりがあった。製造を引き受けてくれるよう足を運んだが、最初は断られた。平井社長は何度も訪問し、つくり方や、新しい設備を導入しなくても製造できることを説明した。その結果、サンエスが製造を担うことになった。

◆「中小の製造業は、自社の事業範囲を超える恐れがあれば、手を出したがらない。それを引き受けてもらえたことがカギになった」(平井社長)。サンエスが技術評価を委託していた横浜国立大学工学研究院とも自然に連携していくことになった。

◆アドバンストのグループの場合、コア技術であるスパイラルにかかわる特許はすべてアドバンストが所有するため、新連携における事業リスクのすべてを同社が負う約束になっている。サンエスに生産を委託、横浜国大の試験評価協力を得て、製品化に向かっていく計画だ。


【コスト、品質管理、大量生産の確立】

◆新連携計画認定によるメリットは、信用度がアップし、金融機関からの資金調達がしやすくなったことと、中小企業基盤整備機構の専門員からの技術的支援が得られることだという。平井社長は「今回の事業に直接関係しなくても、新たな事業のきっかけとなりそうなアドバイスがあった」と話す。

◆当面の課題は三つ。一つは電子回路基板にソケット機能を実装するに当たり、コストをいかに抑えるかということ。「性能が良くても、価格が高いと市場に受け入れられない」(平井社長)。二つ目はメッキ液の品質管理方法の改善。プリント基板の基準を、半導体の基準に合わせていく必要があるという。三つ目は大量生産に向けた自動製造工程の確立だ。

◆「税金を利用して事業を行うからには、国民の生活向上につながるものをつくる責任がある」と平井社長は考える。専用の製造設備の開発も視野に入れ、2009年の本格販売を目指す。

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